ポーカーに興味を抱いた人の中には、ポーカーがギャンブルなのかどうか気になっている人が多いでしょう。
ポーカーのことについて調べ始めると、「安定して勝てる」「プロになって稼げる」といったワードを目にするからです。
そこで本記事では、ポーカーがギャンブルだと思われる理由やギャンブルではないと言われる理由について解説していきます。
ポーカーをギャンブルにしない方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ポーカーはギャンブルである
最初に断言しますが、ポーカーはギャンブルです。
お金を賭け、運次第で結果が変化する時点でギャンブルと言えます。
ポーカーは実力が結果を左右するため、ギャンブルではないと考える人は多いですが、そんなことは関係ありません。
同じ実力が大きく結果を左右する麻雀であっても、ギャンブルと言われています。
1回の勝負で見ればポーカーは麻雀よりも運要素が大きいですし、麻雀がギャンブルとして周知されているのにポーカーがギャンブルにならない道理はありません。
ポーカーは知的遊戯とギャンブルが共存しているゲームです。
ギャンブルとは
ギャンブルとは、日本語で「賭博」のことを指します。
経済産業省によれば、賭博は「2人以上の者が、偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」とのことです。
Wikipediaによれば、「金銭や品物などを賭けて勝負を争う遊戯のことである」とあります。
ポーカーは、2人~9人の人間が運に左右される勝負でお金を賭けて遊ぶ遊戯なので、どちらの定義にも該当しています。
ただ、日本で主流のアミューズメントポーカーは、お金を賭けないためギャンブルとは言えません。
ギャンブルゲームを健康的なゲームに変えていると言えます。
ポーカーはなぜギャンブルではないと思われるのか
ポーカーがギャンブルではないと思われる理由は、下記のような理由が挙げられます。
- 実力差があるとプレイするごとに確実に差が開くから
- 試行回数を稼げば確実に勝てるから
- 安定してお金を稼ぐプロプレイヤーがいるから
- プレイヤーと戦うゲームだから
定義というよりは、ギャンブルというゲームの性質に対しての理由が主になっています。
偶然性によって安定さがないのがギャンブルですが、ポーカーは確実に利益を上げられる点がポイントです。
実力差があるとプレイするごとに確実に差が開くから
ポーカーは実力差がある人たちが同じテーブルに座り続けた場合、確実に成績に差が出ます。
短期的には実力が低い人でも勝てることはありますが、長期的な視点で実力が低い人が勝ち越せる可能性はゼロに等しいでしょう。
それほどまでに実力差による影響が大きいため、ギャンブルではなくお金を賭けた知的遊戯として扱われる場合もあります。
一般的なギャンブルのイメージは、成績のほぼすべてが運で決まるゲームです。
パチンコ・パチスロ・競馬など、厳密には運だけのゲームではありませんが、イメージとしては運100%と考えられているのが一般的です。
そして実際、これらのゲームでは圧倒的な実力差を出すことは難しいです。
しかし、ポーカーは簡単に実力に大きな差が開き、その影響力が大きいためにギャンブルではないと考えられています。
試行回数を稼げば確実に勝てるから
ポーカーは、試行回数を稼げば確実に勝利できます。
ポーカーは非常に実力が影響するゲームであり、自分が格上のテーブルで打ち続けた場合、必ず利益を得られます。
ポーカープロの実力はハンド数に対しての収支(2~5BB/100hand)で表すことができるので、下限の2BB/100handでシミュレートしてみましょう。
まず、1か月10万ハンドをプレイする専業が半年間(60万ハンド)をプレイした場合です。

70%の信頼区間で、4254BB~19746BBの利益を得られます。
90%の信頼区間ではマイナスになるので、1年間(120万ハンド)をプレイした場合も見てみましょう。

今度は、90%の信頼区間でも2091BB~45909BBの利益を得られるようになりました。
1.4230%の確率で負ける確率がありますが、このように試行回数を増やせば増やすほど勝利できる可能性が高くなります。
また、ライブキャッシュの場合は収支が跳ね上がるため、1か月200時間プレイすればほぼ負ける可能性はありません。
安定してお金を稼ぐプロプレイヤーがいるから
ポーカーを職業にしているプロプレイヤーは世界中に数多く存在します。
筆者自身もプロですし、日本人のプロは多いです。
下記は、中でも有名な日本人のトッププロたちです。
ポーカープロ | 詳細 |
---|---|
大谷 正志 | 2023年~2024年の賞金王(獲得賞金額約12億円) |
當眞 嗣成 | 2019年~2022年の賞金王 日本人初の日本企業とのプロ契約 |
木原 直哉 | 2013年~2018年の賞金ランキング2位 TV番組クレイジージャーニーに出演 |
世界のヨコサワ | 世界一の登録者数を持つYouTuber |
活動内容は人それぞれですが、プロがライブキャッシュゲームを1か月間プレイして負けることはほとんどなく、安定してお金を稼いでいます。
また、2024年の賞金王ですら世界獲得賞金ランキングだと206位でしかなく、世界中には大金を稼ぐポーカープロが大勢いることがわかります。
プレイヤーと戦うゲームだから
ポーカーはカジノゲームですが、カジノ側ではなくプレイヤーと戦うゲームです。
カジノ側も商売なので、ゲームを提供するのであれば儲けなければなりません。
実際、カジノ側と戦うルーレットやバカラ、ブラックジャックは還元率が100%を下回っています。
還元率は1回プレイするごとにお金が戻ってくる割合(期待値)であり、100%を下回っているということは長期的に損をすることが確定しています。
しかし、ポーカーはプレイヤーと戦うゲームであるためカジノ側が還元率を決めることはできません。
そして、プレイごとにプレイヤーはカジノ側にレーキを払っており、その額を収支で表すと全プレイヤーを優に上回るほどです。
プレイヤーの勝敗に関わらずカジノ側は安定してお金を稼げるため、プレイヤーとカジノ側は持ちつ持たれつの関係です。
そのため、あまりに高いレーキのポーカーテーブルは用意されません。
結果、実力のあるプレイヤーはレーキを支払っても勝つことができ、ポーカーがギャンブルではない理由の1つになっています。
ポーカーと他のギャンブルの違い
ポーカーと他のギャンブルの最大の違いは、還元率が設定されているか設定されていないかの違いです。
ポーカーは還元率が設定されていませんが、他のギャンブルはすべて設定されています。
他のギャンブル | 還元率 |
---|---|
ブラックジャック | 約96%~99% |
バカラ | 約99% |
スロット | 約85%〜99% |
ルーレット | 約94%〜98% |
パチンコ・パチスロ | 80〜85% |
競馬 | 70~80% |
競艇 | 75% |
競輪 | 75% |
宝くじ | 46% |
上記の表を見てわかる通り、他のギャンブルはすべて還元率が100%未満です。
そのため、長期的に勝ち越すことは非常に難しいです。
ブラックジャックだけは、カウンティングという裏技を使えば還元率が100%を超えます。
しかし、使えるカジノが限られているだけでなく、カジノ側に見つかれば即出禁です。
そのため、すべてのギャンブルの中でポーカーは特に安定して勝てるギャンブルとして成立しています。
ポーカーをギャンブルにしてしまっている人の特徴
ポーカーをギャンブルにしてしまっている人は、下記のような特徴があります。
- 一発逆転を狙いすぎ
- プレイが偏りすぎている
- ギャンブルで熱くなりやすいタイプ
なぜ上記の特徴がポーカーのギャンブル性に繋がるのか解説していきます。
一発逆転を狙いすぎ
ポーカーをギャンブルにしてしまっている人は、一発逆転を狙いすぎている傾向にあります。
特に、ポーカーをあまり勉強していない初心者にありがちな特徴です。
ローレートでレーキが高めなのにも関わらず、78sや79sなどをLJやMPからオープンしている人は多いです。
これらのハンドは、ポストフロップでフラッシュドローやストレートドローが付いやすいハンドですが、LJなどからオープンすることは期待値的にマイナスです。
ドロー系は完成するとオールインに勝ちやすく、一発逆転ができる気持ちいいハンドです。
しかし、エクイティを実現させるためには効果的にブラフをする必要があり、初心者には難しいでしょう。
そのため、ただ引けるか引けないかのギャンブルになってしまいがちであり、定期的に引けたとしても期待値的には不利なギャンブルになっています。
プレイが偏りすぎている
ポーカーがただのギャンブルになっている人は、プレイが偏りすぎている可能性が高いです。
これは、ポーカーを少し勉強し始めた脱初心者にありがちな特徴です。
特に、手堅くプレイすることに意識しすぎており、強いペアが完成するかどうかの絵合わせゲームになっている人が多い傾向にあります。
そして、このような人はレイズをあまりせず、チェック/コールを頻繁に行いがちです。
そのため、フォールドさせてチップを奪うことができません。
レイズをしてきたときは強いハンドしかもっていないため、まともな相手ならコールしてもらうことも難しくなります。
そして、相手が強いハンドを持っている時にさらに強いハンドを完成できるかどうかのギャンブルになりやすいです。
ギャンブルで熱くなりやすいタイプ
ギャンブルに熱くなりやすい人は、ポーカーのプレイをよりギャンブルにしてしまいます。
日本のパチンコ・パチスロ・競馬などが元々好きな人にありがちな特徴です。
ポーカーもギャンブルには違いないので、運で瞬間的な結果は大きく左右されます。
どれ正しくプレイしたとしても、500BBや1,000BBを一気に負けることはあります。
しかし、ギャンブルで熱くなりやすい人は、その事実を受け入れられずティルトしやすいです。
ティルトしてしまうと、冷静なプレイができずに正しい判断を取れなくなります。
そして、「なんとしても負け分を取り返さなくてはいけない」と考え、無理なプレイをしてしまいがちです。
ポーカーをギャンブルにしないためには、どれだけ瞬間的に負けたとしても落ち着いてプレイしなければなりません。
ポーカーはなぜギャンブルのイメージが強いのか
ポーカーにギャンブルのイメージがある理由は、ポーカーをプレイしたことがある人かプレイしたことがない人かによって変わります。
しかし、どちらの場合も下記のいずれかに当てはまる場合が多いです。
- カジノゲームの一種だから
- バッドビートが起きるから
- 収支のブレが大きすぎる
- トーナメント
上記の理由について解説していきます。
カジノゲームの一種
ポーカーはカジノゲームです。
カジノゲームにギャンブルのイメージがあるのは必然です。
そのため、ポーカーのことをよく知らない人は、「所詮カジノゲームなんでしょ」とイメージしています。
ポーカーをプレイしない人に、「ポーカーは長期的に安定して稼げるからギャンブルではない」と説明しても、まったく理解されないでしょう。
人によっては、ギャンブルに依存していると判断して引いてしまうこともあります。
しかし、それはお金を賭けてプレイしている以上自然なことで、ギャンブルのイメージを払拭することは難しいです。
バッドビート
ポーカーでバッドビートを受けた時は、ポーカーがギャンブルだと再認識させられます。
ポーカーは安定して稼げるとはいえ、それはあくまでもギャンブルの中での話で、普通の職業には遠く及びません。
5-10で10%を3回連続引かれて1時間も経たずに3,000ドルを失うなど、バッドビートが起きた時にギャンブルではないなどとは口が裂けても言えないでしょう。
反対に、2%を引いて相手にバッドビートを与えた時は、神に救われたかのような高揚感が味わえます。
これはギャンブルだからこそ味わえる醍醐味であり、ポーカーのギャンブルのイメージを強くする一因でもあります。
収支のブレが大きすぎる
ポーカーは、非常に収支のブレが大きいです。
オンラインキャッシュであれば、実力があって10万ハンドプレイしたとしても収支がプラスになるとは限りません。
5BB/100handを出す鉄強プレイヤーの収支をシミュレートしてみましょう。

70%の信頼区間であれば、収支は1,838BB~8,162BBまで変動します。
これをレートごとに表すと、1-3であれば5,514ドル~24,486ドル、5-10であれば9,190ドル~40,810ドルも変動していることになります。
5-10は日本円で約137万円~608万円になるので、非常に収支のズレが大きいということがわかるでしょう。
ちなみに、90%の信頼区間の場合は-1,325BB~11,325BBです。
そして、5.6923%でマイナスになるので、20人に1人は勝てません。
この収支の差が、ポーカーが知的遊戯ではなくギャンブルというイメージに繋がっています。
トーナメント
ポーカーのトーナメントは、非常にギャンブル性が強いです。
トッププロが開始1時間で敗北することが頻繁にありますし、アマチュアがファイナルテーブルに到達することもあります。
2003年にはクリスマネーメーカーというアマチュアがWSOPメインイベントを優勝しました。
このアマチュアの優勝がポーカーの流行に火をつけたため、この頃のトーナメント参加人数は少ないですし、ポーカープロも少なかったです。
とはいえ、世界中から参加者が集うビッグトーナメントでもアマチュアが優勝できることには違いありません。
そして、ポーカーのトーナメントは、プロであっても10%~20%程度しか入賞できません。
このポーカーのギャンブル性はアマチュアにとっては救いであり、アマチュアがトーナメントに参加する理由にもなっています。
ポーカーをただのギャンブルにしないためには
ポーカーをただのギャンブルにしないためには、下記のようなポイントに気を付ける必要があります。
- ハンド数
- 実力を高める
- ライブキャッシュをプレイする
- ティルトせず冷静にプレイする
なぜこのポイントが重要なのか解説していきます。
もしポーカー初心者で、より重要なポイントを知りたい人は下記の記事を参考にしてみてください。
ハンド数
ポーカーをギャンブルだと感じにくくするためには、ハンド数を多くプレイすることが重要です。
試行回数を稼げば勝てるで述べた通り、ハンド数を多くプレイすればするほど収支は安定します。
100万ハンドを超える膨大なハンド数から見れば、2%や10%を多少多く引かれたところで収支に大きな影響を与えません。
3BB/100handで100万ハンドをプレイした時の収支をシミュレートしてみましょう。

95%の信頼区間で10,000BB~50,000BBを勝利でき、損失する確率は0.1350%しかありません。
100万ハンドは月10万ハンドを10か月プレイすれば達成できる現実的な数値です。
さらに2年3年とプレイを続ければ、損失する確率は極めて小さくなります。
実力を高める
実力を高めれば高めるほど、安定して勝利できるようになります。
1BB/100handの人物と7BB/100handの人物を比べてみましょう。
まずは、1BB/100handの10万ハンドプレイした時のシミュレーション結果です。

70%の信頼区間で-2,162BB~4,162BBの収支、損失確率は37.5915%です。
次に7BB/100handの10万ハンドプレイした時のシミュレーション結果です。

70%の信頼区間で3,838BB~10,162BBの収支、損失確率は1.3428%です。
収支が6BB上がれば、損失確率は約1/28まで下がります。
つまり、無理して高いレートをプレイするよりは、圧倒できるレートでプレイする方がより安定して勝利できます。
ライブキャッシュをプレイする
ポーカーのギャンブル性を抑え、安定して勝利したいのであればライブキャッシュをプレイすることが一番です。
ライブキャッシュでは1時間に25ハンド前後しかプレイできませんが、時給8BB前後勝つことができます。
これをハンド数に直すと32BB/100handです。
非常に高い数値になるため、1か月200時間(5,000ハンド)プレイして負けることはほとんどありません。
実際にシミュレーション結果を見てみてください。

たった5,000ハンドにもかかわらず、95%の信頼区間で610BB~2590BBの収支になります。
また、損失確率は0.0614%しかありません。
加えて、ローレートのライブキャッシュは分散を低くしたプレイでも32BB/100handを出せるので、さらにギャンブル性を低くできます。
ティルトせず冷静にプレイする
ティルトしてしまうと、正しくポーカーをプレイできなくなります。
冷静に正しくポーカーをプレイすることが、ポーカーのギャンブル性を下げる絶対の方法です。
もし自分がティルトしやすいと感じた場合は、健康状態を見直したりバンクロールを一般より多く用意したりして、余裕がある状態でプレイしましょう。
ティルトの危険性や改善の仕方については別記事で解説しています。
どんなに実力があったとしても、ティルトしてしまったら100handの収支は大きく下がり、それに応じて安定感も下がります。
自分に合ったティルトへの対処方法を用意し、最良のプレイをできる状態を心掛けてください。
まとめ
お金を賭ける以上、ポーカーはギャンブルと言えます。
ただし、実力が大きく影響するギャンブルであるため、知的遊戯要素も持ち合わせています。
ギャンブルは短期的か長期的かに関わらず、負ける可能性が非常に高いです。
しかし、ポーカーは実力を磨いた上で試行回数が増えれば、負ける可能性はほとんどありません。
そのためには、実力を高めるだけでなく戦うフィールドを選び、冷静にプレイしましょう。
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