ポーカーをしていれば、誰しもが一度はティルトした経験があるでしょう。
ティルトしないように努めても、いざ不運に見舞われるとティルトしてしまいがちです。
「あの時ティルトしなければこんなに負けなかったのに…」と後悔したことがある人は多いはずです。
そんな人のために、本記事ではポーカーのティルトについて詳しく解説し、対策や予防策も解説しています。
ティルトはポーカーの収支に大きく影響するので、ぜひ参考にしてみてください。
ポーカーのティルトとは?
ポーカーのティルトとは、精神が乱れすぎてまともにプレイできない状態のことを指します。
バランスが傾いている
これをポーカーの精神状態に流用し、精神状態のバランスが傾いていることを意味するようになりました。
ティルト状態になる原因やなった時の状態は人それぞれですが、一般的にはイライラして頭に血が上っている状態が多いです。
そのため、ほとんどの場合は「ティルトした=ムカつきすぎてブチ切れた」を意味します。
ポーカーでティルトしやすくなる原因
ポーカーでは、プレイの結果でティルトすることが多いです。
しかし、ティルトしやすくなる原因は、下記のようなポーカーのプレイ以外の要素が関わっています。
- 体調不良
- バンクロールの不足
- 実力不足
- 他プレイヤーのマナーの悪さ
- ライブキャッシュの暇な時間
これらティルトの原因について詳しく解説していきます。
体調不良
体調不良の時にポーカーをプレイすると、精神状態が不安定になりやすいです。
下記のような体調不良の原因は、 なるべく作らないようにしましょう。
- 睡眠不足
- 病気
- 心身のストレス
- 食生活の乱れ
- 運動不足
ポーカープロの中には、健康を重視してポーカーのためにジムに通っている人もいます。
筆者自身も健康のために軽い筋トレなどは定期的に行っています。
もし体調不良に陥っていることを自覚した場合は、ポーカーを打つことは止めましょう。
バンクロールが不足している
バンクロールが不足していると、ちょっとしたポーカーの下振れでティルトしやすいです。
これは、マネープレッシャーが大きくなりすぎているから起こります。
バンクロールが足りないと、お金を大事に思いすぎるあまり失ったお金に固執しすぎてしまいます。
バンクロール管理は2,000BBと言われることが多いです。
しかし、100BBのオールインブラフをしても平然としていられる精神状態になれないのであれば、さらにバンクロールを用意しなければなりません。
ベストなバンクロールは、オールインブラフやバッドビートを食らってもなにも感じない金額です。
実力が足りていない
実力が足りていないと、ティルトに陥る原因になりやすいです。
これは、不運があった時に「自分のプレイがあっていたか」「同プレイすればよかったのか」と悩みすぎてしまうことから起こります。
しかし、もし自分の実力が足りていれば、バッドビートが起きても「まあそういうこともあるか」と受け流せます。
それは、プレイしていれば必ずバンクロールが増えていくことに自信を持てるからです。
実力が足りていないとどんどんバンクロールが減っていき、「このままプレイしてても良いのか」という不安が大きくなります。
そのため、メインでポーカーを打つレートは、何があっても勝ち越せる自信があるレートで打ちましょう。
他プレイヤーのマナーが悪い
海外のポーカーでは、態度が悪いプレイヤーも時々現れます。
負けた時に相手のプレイスタイルを悪く言い続けたり、勝った時に相手のことを煽るような言い続けたりしています。
そのようなプレイヤーを目にすると、自分が関与していなくても不快感を感じるものです。
そうすると、そのマナーが悪いプレイヤーに意識を向け続けてしまい、不快感からティルトする要因になってしまいます。
このようなプレイヤーは、特にレートが低いほど存在するため、避けることは難しいでしょう。
あまり相手プレイヤーのことを意識せず、プレイの特徴だけに意識を向けることがコツです。
ライブキャッシュの暇な時間
暇な時間が長いとティルトしやすくなります。
特にライブキャッシュでは、1~2時間まともなハンドが来ないことは日常茶飯事です。
2時間後にようやくCOでAToが配られ、BTNに3betされてフォールドすることもあります。
暇な時間に耐えて来たハンドを捨て、ボードを見たらAATかつ相手AKで勝っていたとなれば、ティルトすることは必至です。
あまりに暇な時間が多いので、いくら稼ぎやすくてもライブキャッシュは苦手というプレイヤーもいます。
ライブキャッシュに暇な時間があることは避けられないので、慣れていくしかありません。
どうしても耐えられないのであれば、音楽を聴きながらプレイするか、映画などを見ながらプレイすると良いです。
ただし、その場合は多少腕が落ちても勝ち切れるレートでポーカーをするようにしましょう。
ポーカーでティルトしないための予防策
ポーカーでティルトすることを誰もが完全に防げる方法はありません。
元々の性格の問題やポーカーの強さなどが影響するからです。
ただ、それでもある程度ティルトにならないように予防することはできます。
ここでは、ポーカーのティルトをできるだけ防ぐための予防策を解説していきます。
ティルトする時の具体的なシチュエーションを理解しておく
自分がティルトする時のシチュエーションを理解しておくと、その状況に陥ったとしても冷静になれます。
そのシチュエーションが度々起こることと理解できているからです。
下記のようなシチュエーションは、ティルトしやすく度々起こるシチュエーションです。
- AAでKKやQQに2~3連続でオールイン負けする
- AKで3~4連続でAAやKKに当たってオールイン負けする
- フラッシュやストレートドローが10連続で引けない
- フラッシュやストレートドローを5連続で引かれる
- セットオーバーセットやフルハウスオーバーフルハウスで負ける
- ミスプレイをする
- 相手が明らかなミスプレイをしたにもかかわらず勝利する
上記のシチュエーションが起こる可能性は少ないですが、試行回数が多いポーカーでは目にすることは多いです。
これらで負けると非常に悔しくてティルトしてしまいがちですが、度々目にすることを理解しておけばティルトはしにくくなります。
健康に気を付ける
ティルトしないためには、健康には気を付けましょう。
先に述べたように、体調不良の場合はティルトになりやすいです。
下記のような対策を行えば、よりティルトしにくくなります。
- ジムに通う
- 健康的な食事を心がける
- 生活リズムを整える
- 太陽の光を浴びる
- 十分な睡眠を取る
上記のように規則正しい生活を行えば、精神状態が不安定になってティルトすることを防げます。
オールインしても気にならないレートでポーカーをする
オールインをした時や、オールインにコールする時は誰しも緊張しています。
オールインに負けた時は負けたことをより引きずってしまい、ティルトしやすいです。
そして、自分にとって金額が大きければ大きいほどオールインの敗北を引きずりやすいです。
そのため、オールインになっても気にならない金額でポーカーをしましょう。
これは先に述べたバンクロール管理にも通じる話で、どんなプレイをしても気にならないレートで打つことがポーカーには重要です。
レートアップをするタイミングでは難しいかもしれませんが、多めにバンクロールを用意しておくとティルトにはなりにくくなります。
正しいプレイをすることだけを心掛ける
ポーカーをする時は、正しいプレイをすることだけを心掛けるとティルトにはなりにくいです。
勝った負けたの結果に一喜一憂してしまうと、運が悪かったタイミングにティルトします。
また、自分のプレイが正しいかわからなくなり、プレイに安定感がなくなります。
そしてプレイが乱れるとミスプレイをしやすくなり、結果負けやすくなることでティルトする原因に繋がります。
しかし、正しいプレイをすることにのみ集中すれば、結果で感情が荒れることはありません。
目の前で現れた結果は短期的な結果にすぎず、正しいプレイができたかどうかのみに意識が向くからです。
そして、正しいプレイこそが長期的な良い結果に繋がることを理解していれば、短期的な結果にティルトすることはなくなります。
プレイに自信を持つ
プレイに自信があればあるほどティルトはしにくくなります。
自分がミスプレイをしていないのであれば、何も悩むことはありません。
長期的にプレイを続けていれば、必ず収支はプラスになるからです。
プレイに自信を持つためには、日々ポーカーの勉強をしていくことが重要です。
GTOについて理解を深めていけば、より自分のプレイに自信が持てます。
そして、プレイに自信を持つためには、何があっても負けない必ず勝てるレートを作っておくことも重要です。
必ず勝てるレートがあるという自信は、安心感と自身のあるプレイに繋がります。
ポーカーのティルトの種類とそれぞれの対策
ひとたびティルト状態に陥ってしまうと、そこから抜け出すことは難しいです。
ティルトしているということは、周りが冷静に見れていない状態だからです。
しかし、ティルトの種類を知っておけば、客観的に自分がどの状態に陥っているか判断できるようになります。
そうすれば、ティルトしているつもりがなくてもティルトしていると自覚しやすいです。
そのため、自分がティルトしているか自覚するためにも、ティルトにはどのような種類があるか理解しておきましょう。
ベットやレイズが増えるティルト
怒りっぽい人やアグレッシブなタイプが陥りやすいティルトです。
イライラしたりムカついたりして頭に血が上り、無理なベットやレイズの頻度が増えていきます。
このタイプのティルトは、そもそも怒りっぽい性格をしているため、ティルトを抑えることが難しくなります。
一度離席することがベストですが、性格的に負けっぱなしで引き下がれるとは考えられません。
対処法としては、ライブキャッシュゲームの場合であれば、プレイするお金を少なく持っていくことが有効です。
トーナメントであれば、リバイのタイミングを遅らせたり昼食休憩などは友達と行って楽しんだりすることが有効です。
ベットやレイズが増えるので、短期的に大勝する場合もありますが、長期的には大きくマイナスになりやすいので注意してください。
コールやフォールドが増えるティルト
控えめな性格な人や元々パッシブな性格の人が陥りやすいティルトです。
何をしても引かれて負けると考えてしまう、リスクのあるプレイを過度に避けようとしてしまうことから陥ります。
コールやフォールドが増えてしまうと、ポーカーがただ役を作るだけのゲームになってしまいます。
しかし、それだとブラフの頻度も減ってしまうので、せっかく強い手が作れてもレイズにコールしてもらうことは難しいでしょう。
大負けをする頻度が減るため、ティルトしている本人もティルトしていることに気付きにくいです。
対処法としては、一度離席してしまうことがベストです。
離席して自分のプレイを見つめなおし、正しいプレイは何なのか自分に問いかけましょう。
オープンレンジが広くなってしまうティルト
調子に乗りやすい性格の人や、暇な時間が長いと陥りやすいティルトです。
何があっても負けないレートで緊張感がなくなってしまうことで、暇だからとオープンレンジが広くなってしまいます。
このティルト状態はティルトしていると考えられにくいですが、精神状態が平常でないことからティルトしていると言えます。
ただ、このティルト状態は上手い人ほど避けることが難しいです。
ライブキャッシュの場合、非常に上手いトッププロでもこのティルト状態になっています。
勝てば勝つほど緊張感はなくなるものなので、このティルトにならないための方法はありません。
レンジが広くなっていても圧勝してしまうことが唯一の対処法です。
オープンレンジが極端に狭くなってしまうティルト
相手を見下している人ほど陥りやすいティルトです。
ライブキャッシュのローレートは、オープンレンジを狭くして堅く打っておけば勝てると言われがちです。
確かにその傾向はありますが、実際にはライブキャッシュに初チャレンジしに来た人が負けて帰る姿は何回も見ました。
「なんでそんなハンドでプレイしているんだ」と相手を貶し、その上で負けている人も多くいました。
相手を見下していると、いざ負けてしまった時にティルトしやすくなります。
対処法としては、相手をリスペクトして冷静にレンジを構成することが重要です。
相手がルースなプレイスタイルなら、どのようにプレイするのが良いのかを分析し、GTOからどのようにズラしてエクスプロイトを行うのかを冷静に考えましょう。
正しいプレイが分からなくなるティルト
初心者やレートアップ直後に陥りやすいティルトです。
メインでポーカーをしているレートで勝てる自信がないと陥りやすくなります。
このティルトに陥ると、何が間違っているかわからず、正しいプレイを見つけようと足搔き、プレイスタイルがブレやすいです。
そして、ティルト状態で正しいプレイスタイルを模索するため、反対に誤った道に進みやすくなります。
また、自身では理性的にプレイスタイルを調整しようとしているため、ティルトになっていることに気付きにくいです。
加えて、このティルトは非常に質が悪いティルトで、その場だけでなく翌日以降にも悪影響を及ぼす可能性があります。
変なプレイスタイルでたまたま勝利してしまうと、そのプレイスタイルが有効だと誤認してしまい、長期的に成長を阻害してしまいかねません。
対処法としては、ひたすらGTOを勉強することです。
GTOを勉強すれば、誤った道に迷い込んでしまう可能性は低くなります。
ポーカーでティルトした時の対策
ティルトの種類ごとの対処法は、ポーカーのティルトの種類で解説しました。
ここでは、ポーカーの形式ごとのティルトへの対処方法を解説していきます。
- ライブキャッシュ
- オンラインキャッシュ
- トーナメント
ティルトを完全に防ぐことは難しいですが、対処方法を知っていればティルトになりにくくなり、ティルトによる損害を小さくできます。
ライブキャッシュの場合
ライブキャッシュの場合は、ティルトを自覚したら席を立つことが重要です。
離席はいつでもOKなので、離席して下記のようなリフレッシュをしてください。
- トイレに行く
- ご飯を食べに行く
- 煙草を吸いに行く
- 友達と会話する
基本的には、ティルトから立ち直るまで席には戻らない方が良いです。
ティルトしたプレイを忘れるか、そのプレイに納得できたら席に戻ってポーカーを続けてください。
ティルトを自覚したらゲームを完全に止めてしまっても良いですが、美味しいテーブルに座っていたら止めることはできません。
ライブキャッシュでは、フィッシュと戦うことの重要性が高いからです。
そのため、できるだけ一時離席を駆使してリフレッシュすることが重要になります。
オンラインキャッシュの場合
オンラインキャッシュの場合は、プレイを完全に止めましょう。
オンラインキャッシュではウェイティングを待つ必要がないので、いつゲームを止めたとしてもすぐにテーブルに戻れます。
また、オンラインではプレイ人口が多すぎてフィッシュ狙いをすることが難しく、同じテーブルに固執する理由がほとんどありません。
ゲームを止めるデメリットがほぼないので、ティルトを自覚したら完全にプレイを止めてしまうことがベストです。
頭から完全にティルトしたハンドのことが消えたら、またポーカーを再開しましょう。
トーナメントの場合
トーナメントの場合は、ティルトに対処することは非常に難しくなります。
ブラインドが上がっていきますし、離席している間もブラインドは削られるので不利になります。
そのため、トーナメントでティルトするような場合は、そもそもトーナメントに参加するべきではありません。
トーナメントは分散が激しいですし、よりティルトが起こりやすい環境です。
1回運が悪かっただけで参加費がすべて消えるからです。
ティルトした時の対処法は、一時休憩の時間に頭をリフレッシュさせることしかありません。
ティルトした時の対処方法がほとんどないので、そもそもティルトしにくいバンクロールに余裕があるバイイン額のトーナメントに参加するようにしましょう。
ポーカーのプロでもティルトにはなる
毎月100万円以上稼ぐポーカープロでもティルトにはなります。
筆者自身もよくティルトになりましたし、周りのプロでもティルトになる人は多かったです。
ティルトにならない人ももちろんいましたが、元々の性格によるものが大きいので、だれでも完全にティルトを防ぐ方法はありません。
また、ティルトに陥っていないように見えても、表には出さないだけではらわたが煮えくり返っていることがほとんどです。
そのため、ティルト自体を完全に防ぐというよりは、ティルトした後に如何に冷静になるかを心掛けた方が良いです。
そして、ティルトした状態でも長期的に必ず勝てるレートを作っておき、大敗や強烈なダウンスイング後でもバンクロールが破産しないようにしましょう。
まとめ:ポーカーのティルト対策はリフレッシュと勉強が重要
ポーカーのティルトは、どんなに上手いプロでも完全に防ぐことはできません。
そのため、ティルトが起こりやすい状況を把握し、自覚したらリフレッシュすることが重要です。
また、ポーカーについて勉強すればするほど、ティルトが起こる原因を潰せます。
日々の勉強は、実力が身に着くだけでなく安定したプレイにも役立つので、怠らないようにしましょう。



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